平成23年9月に発生した紀伊半島豪雨では、各地で広範囲の深層崩壊が発生し、道路沿いに建ち並んでいた電柱の一部が崩落、架空ケーブルが断線する大きな被害が生じました。

当時の早期復旧工事では、残った電柱間を谷越えでケーブル接続する必要があり、通線には『鉄砲』が使用されたと伺っています。
インターネット検索でも当時の施工風景を示す写真資料はなかなか見つからず、貴重な工法であったことが伺えます。
今回のご依頼内容
今回、新たにケーブルを新設するにあたり、弊社が ドローンを活用した通線作業 をご依頼いただきました。従来の「鉄砲」による方法ではなく、ドローンによってリード線を牽引する工法です。

施工の流れ

1.ドローンに釣り糸を取り付けて飛行し、対岸まで牽引。
2.釣り糸とリード線を接続し、人力で引き上げて通線。
3.その後、通線班がリード線を利用して本線ケーブルを通線し、新設工事を完了。
使用機材と選定理由
使用機材は DJI社製の「Phantom」と「Mavic」を準備しました。
現場は木々が生い茂り枝の間をすり抜ける必要があったため、機体の厚みが薄く操作性に優れる「Mavic」を選定しました。


リールから出る釣り糸が一気に絡んでしまう「爆裂」を防ぐため、釣竿を操作する補助者との緊密な連携も不可欠でした。

工事を終えて

このような谷越えの特殊な環境において、ドローンが従来工法に代わる手段としてお役に立てたことを大変嬉しく思います。
今後も、災害復旧や難所での施工において、安全かつ効率的なドローン活用をご提案してまいります。
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